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大阪高等裁判所 昭和50年(ネ)410号 判決 1976年8月18日

主文

1  本件各控訴を棄却する。

ただし、原判決添付第一の物件目録のうち、(一)の記載を別紙のとおり更正する。

2  控訴費用は被告らの負担とする。

事実

(原判決の主文)

一  被告中野は原告に対し、原判決添付第一の物件目録(以下目録という。)記載(二)の(1)ないし(3)の建物の各<ロ>の部分を収去して、同(三)の(1)ないし(3)の土地の各<ロ>の部分を明渡し、かつ四七八万三五七六円と、昭和(以下略)四九年一月一日から右明渡ずみまで一か月四万三五六〇円の割合による金員を支払え。

二  被告山本は原告に対し、目録記載(二)の(1)の建物の<ロ>の部分から退去して、同(三)の(1)の土地の<ロ>の部分を明渡せ。

三  被告杉原と同島田は原告に対し、目録記載(二)の(2)の建物の<ロ>の部分から退去して、同(三)の(2)の土地の<ロ>の部分を明渡せ。

四  被告金子は原告に対し、目録記載(二)の(3)の建物の<ロ>の部分から退去して、同(三)の(3)の土地の<ロ>の部分を明渡せ。

五  原告の被告らに対するその余の第一次請求を棄却する。

六  訴訟費用はこれを一〇分し、その九を被告らの、その余を原告の各負担とする。

七  この判決は、一ないし四項および六項に限り、仮に執行することができる。

八  被告中野は一〇〇万円の担保を供して、建物収去土地明渡の仮執行を免れることができる。

被告山本は二〇万円、その余の被告らはそれぞれ三〇万円の各担保を供して、右仮執行を免れることができる。

(請求の趣旨)

1  第一次請求

(一)  被告中野は原告に対し、目録記載(二)の(1)ないし(3)の建物(以下「本件(1)ないし(3)の建物」という。)の各<イ>の部分を収去して、同(三)の(1)ないし(3)の土地(以下「本件(1)ないし(3)の土地」という。)の各<イ>の部分を明渡し、かつ四八七万四〇四〇円と、四九年一月一日から右明渡ずみまで一か月四万四三八四円の割合による金員を支払え。

(二)  被告山本は原告に対し、本件(1)の建物の<イ>の部分から退去して、本件(1)の土地の<イ>の部分を明渡せ。

(三)  被告島田は原告に対し、本件(1)(2)の建物の各<イ>の部分から退去して、本件(1)(2)の土地の各<イ>の部分を明渡せ。

(四)  被告杉原は原告に対し、本件(2)の建物の<イ>の部分から退去して、本件(2)の土地の<イ>の部分を明渡せ。

(五)  被告金子は原告に対し、本件(3)の建物の<イ>の部分から退去して、本件(3)の土地の<イ>の部分を明渡せ。

(六)  仮執行の宣言

2  第二次請求(ただし、被告中野、同山本、同杉原についてのみ)

(一)  被告山本と同中野は原告に対し、共同して、本件(1)の建物の<イ>の部分のうち各所有部分を収去して本件(1)の土地の<イ>の部分を明渡し、かつ被告山本は、四四万三八〇五円と四九年一月一日以降右土地明渡ずみまで一か月四〇四一円の割合による金員を、被告中野は、五六万六七七四円と同日以降右土地明渡ずみまで一か月五一六一円の割合による金員をそれぞれ支払え。

(二)  被告杉原と同中野は原告に対し、共同して、本件(2)の建物の<イ>の部分のうち各所有部分を収去して本件(2)の土地の<イ>の部分を明渡し、かつ被告杉原は、七二万七七五二円と四九年一月一日以降右土地明渡ずみまで一か月六六二七円の割合による金員を、被告中野は、一一一万四五四五円と同日以降右土地明渡ずみまで一か月一万〇一四九円の割合による金員をそれぞれ支払え。

(三)  被告中野は原告に対し、目録記載(二)の(9)の建物を収去して同(三)の(9)の土地を明渡し、かつ一一一万四五四五円と四九年一月一日以降右土地明渡ずみまで一か月一万〇一四九円の割合による金員を支払え。

3  第三次請求(ただし、前記第二次請求の被告らについてのみ。)

(一)  被告山本は原告に対し、本件(1)の建物の<イ>の部分より退去し、目録記載(二)の(4)の建物(以下「本件(4)の建物」という。)の<イ>の部分を収去して、同目録記載(三)の(4)の土地(以下「本件(4)の土地」という。)の<イ>の部分を明渡し、かつ四四万三八〇五円と四九年一月一日以降右土地明渡ずみまで一か月四〇四一円の割合による金員を支払え。

被告中野は原告に対し、五六万六七七四円と同日以降目録記載(三)の(7)の土地(以下「本件(7)の土地」という。)の<イ>の部分明渡ずみまで一か月五一六一円の割合による金員を支払え。

(二)  被告杉原は原告に対し、本件(2)の建物の<イ>の部分より退去し、目録記載(二)の(5)の建物(以下「本件(5)の建物」という。)の<イ>の部分を収去して、目録記載(三)の(5)の土地(以下「本件(5)の土地」という。)の<イ>の部分を明渡し、かつ七二万七七五二円と四九年一月一日以降右土地明渡ずみまで一か月六六二七円の割合による金員を支払え。

被告中野は原告に対し、一一一万四五四五円と同日以降目録記載(三)の(8)の土地(以下「本件(8)の土地」という。)の<イ>の部分明渡ずみまで一か月一万〇一四九円の割合による金員を支払え。

(三)  被告中野は原告に対し、一一一万四五四五円と四九年一月一日以降目録記載(二)の(9)の土地(以下「本件(9)の土地」という。)の<イ>の部分明渡ずみまで一か月一万〇一四九円の割合による金員を支払え。

4  第四次請求(ただし、被告山本、同杉原についてのみ)

(一)  被告山本は原告に対し、本件(1)の建物の<イ>の部分を収去して本件(1)の土地の<イ>の部分を明渡し、かつ一〇一万〇五八〇円と四九年一月一日以降右土地明渡ずみまで一か月九二〇二円の割合による金員を支払え。

(二)  被告杉原は原告に対し、本件(2)の建物の<イ>の部分を収去して本件(2)の土地の<イ>の部分を明渡し、かつ一八四万二二九七円と同日以降右土地明渡ずみまで一か月一万六七七六円の割合による金員を支払え。

(不服の範囲)

原判決中被告ら敗訴部分(ただし、仮執行免脱宣言を除く。)

(当事者の主張)

次に付加するほか、原判決事実摘示のとおりである。(ただし、原審相被告金子哲子、同金子弘に関する記載を除く。)

原告の主張の変更

原告が本訴において明渡を求めている土地については、その後所在地の表示変更があり、さらに原告において分筆登記手続をしたため、その表示が変更した。したがつて、原判決添付第一の物件目録のうち、(一)の記載を別紙のとおり変更する。

(証拠)(省略)

理由

一  当裁判所も原告の請求中の原判決認容部分を正当と判断するものであるが、その理由は次に補正するほか、原判決の説示と同一である。

(イ)  原判決理由のうち「被告山本久子ら六名」とあるのは、すべて「被告中野を除く被告ら」に改める。

(ロ)  原判決一八枚目裏一行目の「検甲第一号証」から同六行目の「第一号証の二」までの記載を、「同乙一号証の二、二六年八月本件(7)ないし(9)の建物を撮影した写真であることに争いのない検甲一号証の一、二、三四年五月本件(1)ないし(3)の建物を撮影した写真であることに争いのない同二号証の一、二、三二年六月同建物を撮影した写真であることに争いのない同三号証の一、二、三四年三月一八日本件各建物を撮影した写真であることに争いのない同四号証の一ないし六」に改める。

(ハ)  原判決二四枚表九行目の「認められ、」を「認められる。」に改め、そのあとの「被告中野」から同裏四行目までの記載を削除する。

同二五枚目表四行目の「自己の旧建物は実在しないと」を「自己の旧建物と増改築後の建物とは同一性がなく、したがつて旧建物そのものは実在しない旨」に、同九行目の「消滅した」を「実在しない」に、それぞれ改める。

(ニ)  原判決二六枚目表一一行目の「そうして」から同裏一一行目までの記載を削除し、そのあとに「原告は、被告島田が本件(1)の建物・土地を占有していると主張するが、これを認めるに足りる証拠はない。」を追加する。

(ホ)  原判決二九枚目表一二行目の「侮」を「佃」に訂正し、三〇枚目裏末行目と三一枚目表一行目の記載を削除する。

二  そうすると、本件各控訴は理由がないからこれを棄却し、なお、成立に争いのない甲六一ないし六四号証と弁論の全趣旨によれば、本件係争土地部分の表示が原告主張のように変更していることが認められるので、原判決添付第一の物件目録のうち(一)の記載を別紙のとおり更正し、民訴法八九条九三条を適用して、主文のとおり判決する。

(別紙)

第一の物件目録のうち(一)の更正

(一) 大阪市西成区鶴見橋一丁目一一番二八

(旧表示 同区西萩町一一番三)

宅地  三五一・九三平方メートル(登記簿上)

ただし、原判決添付第二の図面(イ)(ハ)(ニ)(ト)(チ)(ロ)(イ)の各点を順次直線で結んだ部分

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